新しく事業を始めるあなたは、将来、事業収益による所得税を払うことになります(儲かれば!)。その時のことをあらかじめ考えておきましょう。
所得とは、収入から必要経費を引いた「儲け」の事です。どんなものが経費に相当するかは、後で述べます。ちなみに通常所得といったら年間所得のことです。
ここではまず、所得のバターンと確定申告の仕方を見てみましょう。
特にすることはありません。現在の事業の所得とWebリサイクルショップの所得を通算して確定申告することになります。
給与所得者が給与以外に年間20万円以上の所得がある場合は、確定申告する必要があります。このとき、申告のタイプによって、事業所得として申告する場合と雑所得として申告する場合の2つに分かれます。最初は雑所得で申告するのが簡単でお薦めです。それぞれの方法については後で詳しく説明します。
被扶養者が事業をする場合にポイントとなるのが、沢山稼ぐと、扶養からはずれてしまう、と言う点です。例えば夫が勤めて妻が扶養になっている場合、妻の稼ぎがない場合なら、夫の所得税からは配偶者控除と配偶者特別控除(2004年に縮小)を受けているはずです。これは年末調整で約7万円が返ってくることを意味します。副業での妻の所得が年間76万円を超えるとこれが減り始め、114万を超えるとなくなってしまいます。
影響はそれだけではありません。所得があって所得税を納めるとその金額によって市民税を納税する義務が生じます。また、所得が130万以上になると、健康保険の扶養からもはずれ、自分で国民健康保険に加入して保険料を払う必要があります。年金も同様で、所得が130万以上になると、厚生年金の3号被保険者の資格を失いますので、自分で国民年金に加入する必要が発生します。
さらには、夫の扶養からはずれることで、夫の所得税が若干上がりますし、職場によっては、家族手当・扶養手当の減額や適応除外も考えられます。
このように、これまで扶養だった方が所得を得始める際には、年間所得によっていろいろな影響が出ますので、慎重な判断が必要です。
家族の扶養に入っている方の申告のパターンは、次の通りです。
1. 他に給与がなくWebリサイクルショップでの所得が38万円を超えた場合→確定申告が必要です。
2. 他に給与がありWebリサイクルショップでの所得が20万円を超えた場合→事業所得・もしくは雑所得として確定申告が必要です。
3. それ以外→確定申告の必要はありません。
初めは雑所得として申告するのがお薦めです。
申告のタイプは次の3つがあります。
それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう
所得税の計算の際に、他の事業や給与と損益の合算が可能です。例えば副業が赤字だった場合、既に給与から引かれた所得税の還付や、他事業での所得税の減額が期待できます。
経費とは売上を上げるために使った費用のことです。例えば、仕入金額や送料や手数料などです。これらのうち、半分以上は事業のために専用に使用したものであれば経費に認められます。しかし条件は厳しく、一般に仕事部屋分の家賃や仕入に使う車のガソリン代・光熱費などは認められません。
もし所得が年間20万円以下であっても、赤字であっても、途中でやめても、廃業届を出すまでは必ず確定申告する義務が生じます。
複式簿記できちんと記帳すれば65万円(平成16年に拡大)の青色申告特別控除が受けられます。つまり、基礎控除と合わせて所得が103万円以下であれば全く所得税を払う必要がないのです。複式簿記というと初心者には取っ付きにくいですが、実際はパソコンのソフトで家計簿感覚でまったく簡単に記帳できます。
家族に仕事を手伝ってもらったなら、正当な額を給与として払い、それを経費にできます。つまり、その分所得税として納める分が減るわけです。ただし、配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除は給与の額によらず受けられなくなります。給与を払いすぎると家族が諸制度の扶養からもはずれる可能性がありますのでご注意。また、家族に支払った給与がある一定額を超えるなら、源泉徴収する義務が生じます。
こうした家族の従業員を個人事業では専従者と呼んで、一般の従業員と区別します。専従者になれるのは、事業者と生計を1つにする15歳以上の親族で年間6ヶ月以上働く場合です。
所得税の計算の際に、他の事業や給与と損益の合算が可能です。例えば副業が赤字だった場合、既に給与から引かれた所得税の還付や、他事業での所得税の減額が期待できます。
事業専用に使用した費用はもちろん、仕事部屋分の家賃や仕入に使う車のガソリン代なども事業に使った割合の分だけ認められます。
青色申告を選択したなら複式簿記でないと意味がないです。なぜなら、55万円の青色申告控除は複式簿記でないと受けられないからです。よって、複式簿記について学ぶ必要があります。ただし、ビジネスをするつもりなら複式簿記は知っていて当然のことです。大して難しくないですし恐れずチャレンジしましょう。
もし所得が20万円以下であっても、赤字であっても、途中でやめても、廃業届を出すまでは必ず確定申告する義務が生じます。
なにも手続きせずにすぐに始められます。
他の雑所得と合算して20万円以下であれば、申告の必要がありません。
収入を得るために全額を直接使用したものしか費用に認められません。もっとも厳しい基準です。
Webリサイクルショップが赤字であっても、他の事業や給与と損益通算ができません。
事業所得として申告することに決めた方は、所轄の税務署に「個人事業の開廃業届」を出しましょう。開業届は開業から1ヶ月以内に提出することになっています。では具体的にどうしたら「開業」なのかは、全くあなたが自由に決めて構いません。準備が整った日を開業日としても良いし、準備を始めた日を開業日としてもOKです。
このとき屋号を届けることができます。屋号には何の法的な根拠もありませんが、「○○屋」のような屋号を付けるとお店を始める気分が盛り上がります。また後に触れますが、銀行口座を開設する際に「屋号+本名」で口座名義を作成できます。
確定申告を青色で申告したい方は、新規開業の場合は開業から2ヶ月以内、すでに開業している場合はその年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出します。開業届と同時に出すと手間がかかりません。
その他詳しくは表をご覧下さい。
高額な備品など持たない副業インターネットリサイクルショップでは、減価償却方法の届けは必要ないでしょう。
名称
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どんなとき必要か
|
提出先税務署
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期限
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個人事業の開廃業届書 |
事業所得として申告する場合 |
居住地管轄 |
開業から1ヶ月以内 |
減価償却方法の届出 |
定率法で減価償却したいとき |
居住地管轄 |
初年度確定申告の提出期限まで |
所得税の青色申告承認申請書 |
事業所得を青色で申告したいとき |
居住地管轄 |
申告したい年の3月15日までもしくは新規開業から2ヶ月以内 |
給与支払事務所等の開設届出書 |
誰かに給与を払うとき |
事務所管轄 |
給与を払うことになって1ヶ月以内 |
青色事業専従者の給与に関する届け出 |
専従者給与を払いたいとき |
居住地管轄 |
申告したい年の3月15日までもしくは新規開業から2ヶ月以内 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
専従者給与を払いたいとき |
事務所管轄 |
適用を受けたい月の前の月 |
就業規則に副業の禁止を謳っている会社はおおいでしょう。また「禁止」の実際の程度はまちまちだと思いますが、あくまで個々のケースによりますので、ご自分で判断して下さい。副業の事実を元にリストラを迫る、等ということもたまに聞きます。
税務処理上、副業を行っていることを会社にばれないようにすることは可能です。雑所得でも、青色申告でも問題ありません。ただし、後で述べるように社宅に住んでいる人はひょっとするとばれる恐れがありますが、そもそも、社宅では、税務処理以前に、すぐにばれそうですね。
この問題については、万が一という事もありますのであくまで自己責任での判断が必要です
税務署によっては給与所得者が事業所得を申請することをなかなか認めてくれない場合があるようです。これは次のような不正行為を防ぐ意味合いがあると思われます。給与所得者がダミーの事業で大赤字を計上する→給与所得と損益通算して所得税を0にする→給与から天引きされていた所得税がまるまる還付される。
税務署によってはすんなり通ってしまうこともあるようです。
ただし、事業としての確定申告が正当なものかどうかは、提出時だけでなく、当然毎年の確定申告でチェックされます。それなりにやる気でないと事業所得での申告は難しいでしょう。
逆に儲けがかなりあれば、雑所得ではなく、事業所得に変更するよう指導を受ける場合もあるようです。その場合に備えて、たとえ雑所得で申請するつもりであっても、レシートを保管し経費をメモしておきましょう。
賃貸住宅で仕事して青色申告で確定申告する可能性のある方は、大家さんの許可を取っておきましょう(もっとも本来は申告の有無に関係なく、契約書の内容によっては許可を取る必要がありますが)。青色申告では普通、使用した仕事部屋の割合に応じて、家賃の一部を経費として計上しますが、確定申告時に提出する青色決算報告書には、大家の住所氏名を明記して、全部で幾ら払った家賃の内の幾らを経費として計上すると記入する欄があるのです。このとき、もし大家さんがあなたからの家賃収入を申告しておらず、ずるをしていた場合、あなたの確定申告でそれがばれてしまいます。あらかじめ開業する旨を伝えておいて、できればごたごたするのは避けたいものです。
専従者給与は売上規模から見て常識的な額にしましょう。また、毎月支払う給料が8万7千円以上の場合は、あなたに所得税の源泉徴収の義務が生じます。具体的には、源泉徴収簿という紙に毎月の給料と所得税の額を記入し、天引きした所得税を銀行や郵便局から納入することが必要です。納入は「源泉所得税の納期特例に関する申請書」を提出すれば半年に一回まとめて行うことが可能です。さらに12月には、年末調整をしないといけません。かなり手間がかかりますので覚悟しておきましょう。
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