基本的な解法
存在する、存在しない、その中間
の3タイプに別れます。中間の爆弾存在確率を持つパネルに手を出してはいけません。それはひとまず保留にしておき、ここでは次の作業をしましょう。
爆弾の存在するパネルに旗を立て、
爆弾の存在しないパネルを開く。
この際、前章で述べた左右同時クリックを有効に活用します。
上記の作業を一段階進めると、盤面に変化が現れる事が分かるでしょう。すなわち、新たに数字を示すパネルが現れる、周囲の爆弾の数(旗の数)が増加する、の二種類の変化です。この変化により、先に保留した中間状態のパネルが分離確定する事があれば、それらのパネルに、それぞれの操作をする事ができる筈です。こうして次々とパネル操作が連鎖して行き、すべてのパネルの爆弾存在確率が分離確定すれば、それがMSの勝利状態となるのです。
ここで注意すべき点は、必ずしも連鎖が続いて行くとは限らない、という事です。ある特定の数字に囲まれたパターンでは、中間状態のパネルが最後まで残ってしまいます。完全に理性的なプレイヤーは、そこから先に進む事が出来ないでしょう。そこでは n枚のパネル群の中に m個の爆弾が埋もれており、それらのパネルは等しく m/nの爆弾存在確率を持つ
定常状態
を形成しているのです。MSには、実に驚くほど多くこういった定常パターンが存在します。特にゲームの最初と最後の段階において、プレイヤーは数多くのこうした非解析性に悩まされるでしょう。これはMSがいかに厳酷なゲームであるかを如実に物語っています。また、逆にこれらの存在がMSを単なる Kid's Gameに落としめられることから防いでいるとも言えるのです。
さて、準備は整いました。プレイヤーはこれで、理論的には0.1程度の割合でMS上級に勝利する事ができる筈です。また実際に、どのようなパターンではどこに爆弾があり、どこに無いのか、それぞれのパネルの爆弾存在確率はいくらかなどは、脇においた方眼用紙等にパネルの部分パターンを模写し、解析するのが宜しいでしょう。
基本的な速解法
基本解法の訓練をかなり積んだ場合、それぞれのパターンの解析を記憶する事となり、方眼紙を使わずとも、眼力によって解ける=パターン認識解法を、大抵の方はマスターする事でしょう。と言うより、MS中級者への道程には、このパターン認識の壁が立ちふさがっているのです。ここではまず、パターン認識の基本を理解しましょう。
直ちに分かる事は、直線パターンに現れる数字は1、2、3(そして0)のみであるという事です。そして、これらの数字はそれぞれ関連しあっていて、全くランダムな組み合わせは存在を許されないという事です。では列挙して見ましょう。方眼紙を用意して実際に書き下すと、理解が早まるでしょう。
どうでしょうか。少々端折った部分もありますが、大まかに言えば直線パターンは、たったこれだけしかないのです。方眼紙を使って一度理解してしまえば、もう、忘れる事はないでしょう。
まず、次のパターンを見て下さい。
壁221
このパターンは壁(閉パネル)がどうなっているのか分からないので、解く事ができません。しかし、もし、この壁に爆弾がある事が分かった場合はどうなるでしょう。
旗221
これは以下の状態と同じに看做せます。
etc121
なぜなら、既に存在が判明している爆弾の数は、未知の数から差し引いて考える事ができるからです。類型なパターンに以下があります。
壁43etc
3が並ぶパターンから類推すれば、この壁には爆弾がある事がすぐに分かります。ちなみに、これは4の基本パターンです。
このように、直線パターンを補正して用いる事により、様々なパターンを解く事が可能となります。そして、いずれは補正パターン自体をパターン認識できるようになるでしょう。どのような補正パターンがあるかは実際に解きながら覚えて行くと良いでしょう。その代表的なものについては、中級編で触れることにします。
ここまでが基本の速解法です。頑張ってトレーニングして下さい。ここまでの内容を完全にマスターした場合、速い人ならアベレージ200を切る事ができるようになるでしょう。2分の壁はその向こうにそびえていますが、あせってはいけません。