第7週

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06月05日(日) - 37日目

終日自宅でゆっくり過ごす。

06月06日(月) - 38日目

曇り。

7時起床。9時半に家を出るまでゆっくりすごす。

11時半。途中で昼食を済ませ、病室に戻る。新しい患者さんが入っている、と思ったら、先日退院した元同室の人だった。金曜に具合が悪くなって再度入院したらしい。今はもう元気そうだった。びっくりしていろいろ話す。

予想通り、すぐに外来に呼ばれるので、パジャマに着替えてすぐに外来へ。

綿球と当てガーゼの交換。足はガーゼ取替え。足はイソジンがしみる。足の絆創膏の周囲がちょっと荒れて痒い感じがしていたところ、何も言わなくても、リンデロン軟膏をぬってもらった。明日は午前中の処置で、手術ガーゼを取ります、との事。

同室に新しい入院の方が来た。あっという間に4人に急増。

15時検温。

売店でテレカを買い、アイスを買って屋上で食べる。

18時夕食 ご飯、梅びしお、鶏肉の土手焼き、ほうれん草の磯辺和え、かぼちゃの煮物、パイナップル。

21時電話とメールチェック

22時消灯。

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06月07日(火) - 39日目

曇り時々晴れ。

6時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、大根おろし、白菜と三つ葉の味噌汁、枇杷、牛乳

8時半検温。

10時半洗髪

11時処置。手術のガーゼを取り除く。薬品で湿らせながらゆっくりと。耳の中がずいぶん軽くなった。全部取り去ったときには、音も聞こえた。すぐにまたボスミンガーゼを入れていったので、聞こえが良いかどうかは良く分からない。しかし、さっきまでは左はぎゅうぎゅう詰めでまったく聞こえなかったのだが、いまはほんのりと音が聞こえる。足はガーゼ交換。新しいガーゼにしたら痛みが極端に減った。歩くときも、まったく意識せずに歩けるようになった。こりゃ、退院も近いぞ。経過は両方ともかなりいよいらしい。

最近処置時に看護学校の生徒さんが何人か付いていて、熱心に見学。先生もいろいろ説明しながら処置。これで役に立つなら嬉しいもんだ。

同室に新しい入院患者さん。5人になった。

12時昼食 ハヤシライス、サラダ盛り合わせ、蜜豆

新しく入った人がクーラーを強に設定したので、寒くてしょうがない。やむなく窓を開けて自衛。確かに窓際は風が入るが、廊下側は暑いのかもしれない。屋上へ行ったり階段を上り下りする。

15時検温。その後、妻が来てくれる。1時間ほど新聞を読んだ後、散歩に外出。久しぶりかも。商店街で買い物。公園でおやつ。

エレベータを待っているとき、初老の女性から声を掛けられる。彼女は主治医とその師匠の先生に、昭和37年に同じような耳の手術(真珠腫ではなかったようだが)をしてもらったとの事だ。当時はまだ日本でも3件目ぐらいの珍しい方法の手術だったそうだ。足からの植皮も、当時はかなり大きくとったらしい。きっと痛かったと思う。耳に絆創膏をしているのをみていろいろ思い出して思わず声を掛けたのだろう。主治医の師匠はすでに鬼籍に入られたらしい。

18時夕食 ご飯、出汁巻き、レンコンのかか煮、大根のそぼろ煮、インゲンの胡麻和え、サツマイモと三つ葉の味噌汁。夕食を食べるのを見届けて、妻は帰っていった。そろそろ退院に備えていろいろ私物を持って帰るようにした。

耳のあてガーゼを留めている絆創膏がはがれかけていたので、留め直してもらう。耳周辺はしっかり洗えず油髪なのではがれやすい。

20時電話とメールチェック。

22時消灯。

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06月08日(水) - 40日目

晴れ。今日から雨の予報だったので晴れてよかった。

6時半起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、ふりかけ、出汁巻き卵、たまねぎと三つ葉の味噌汁、ジョア

8時半検温。

9時半 二日続けて洗髪

10時処置。耳のガーゼ交換。足もガーゼ交換。どちらも痛みなし。今週末に一度聴力検査をして、退院は、足の治りを見ながら来週中ごろ。ただし早くなるかもしれないとのこと。今週退院できるかと思っていたので少し残念。でももう少しなのは変わりない。

同室の向かいのベッドの人が退院。

12時前に、妻と郷里の両親が来てくれたので、一緒に外出。昼食とお茶をしながら話ができた。お土産も買ってもらった。夕方妻と両親は帰っていった。念のため夕食もキャンセルしていたので、しばらく公園でぶらぶらして夕食も食べて18時過ぎに病院へ戻った。

病室に戻ると、月曜に再入院した人が早速窓際へ引越ししていた。

20時電話とメールチェック

22時消灯。

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06月09日(木) - 41日目

晴れ。

6時半起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、高野煮、麩と三つ葉の味噌汁、バナナ、牛乳

8時半検温。

10時外来で処置。耳のガーゼ交換。足もガーゼ交換。足は皮が張って順調に治っているので、今週末土曜日に退院してよい、との事。やっと退院だ。うれしい。聴力検査は明日行うとの事。

早速妻に電話。妻も猫たちも喜んでくれた。

11時清拭。ついでに着替えてさっぱりした。

12時昼食 ご飯、ふりかけ、鶏のピカタ、付け合せキャベツ、サツマイモのレモン煮、小松菜と揚げの辛し和え。

同室の人が退院。

15時検温。その後妻が来てくれる。新聞読んだ後散歩へ。買い物した後、公園でたこ焼きを食べる。

病室に戻ると、会計の人が、5月分の請求書を持ってきた。入院1か月分と手術2回で〆ておよそ百十一万円也。実際は、この3割負担分から高額医療費分を引いて、実質請求額は8万円+食事代2万円の約10万円だった。割合から予測して6月分は5〜7万となりそう。今回の手術入院の総額では、15〜17万という事だ。もし2回目の手術が6月にずれ込んでいたら、総額は20万弱となるはずだから、数万浮いた格好になる。月千円の掛捨ての傷害保険で約20万支払いがあるはずだから、ちょっとプラスか(交通費とテレカ代とおやつ代でちょうどなくなりそう)。ちなみに4年前に手術時は、総額132万。自己負担29万(当時は2割)。この後、高額医療費の請求を行い12万円の返還を受けた(当時は高額医療費の上限が低く6万台だった)ので、実質自己負担額は17万円だった。だいたい同じぐらいだね。

18時半夕食 ご飯、タイとえのきのホイル焼き、大根の変わり煮、昆布うどん、漬物、焼きりんご。夕食を食べるのを見届けて妻帰る。あさっての退院に向けて、いろいろ私物を持ち帰り始めたので、大荷物で帰っていった。ちょっと心配。

20時電話とメールチェック

22時消灯

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「More Effective C++」(S・メイヤーズ)読了

06月10日(金) - 42日目

晴れ。

6時起床。採血。昨日連絡しておくのを忘れた、と言われ、寝ぼけ眼のままいきなり採血された。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、大根おろし、薩摩汁、牛乳

8時半検温。

9時半ごろ聴力検査に呼ばれる。外来でガーゼを抜いて、そのまま検査。音の聞こえは、現状では、それほどよくもなく、悪くもなくか。右と同じ程度の聞こえだったと思う。

病棟に戻って10時処置。耳の当てガーゼは無くなり綿球だけに。すっきり。足もガーゼ交換。退院後には入浴してもいいとの事。

ガーゼが取れたので妻に電話して髭剃りをもってきてもらうことにした。左のガーゼに隠れていた部分のひげが異様に伸びているので剃ろうと思ったのだ。

11時シャンプーと清拭。ついでに左耳周辺に溜まった垢と絆創膏の貼り跡をきれいにしてもらった。

12時昼食 ご飯、炊き合わせ、ナムル、小松菜とえのきの味噌汁、海苔佃煮。

15時検温。その後妻が来てくれる。髭を剃り早速着替えて外出。お金を持ってきたので、5月分の請求を会計で支払い。買い物した後、公園でおやつを食べる。

18時夕食 ご飯、ピーマンの肉詰め、じゃがバター、シロナの煮びたし、筑前煮風、メロン。買い物のときに買ってきたカップラーメンを一緒に食べる。夕食を食べるのを見届けて妻帰る。今日は本と体重計を抱えて大荷物で帰っていった。ちょっと心配。

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06月11日(土) - 43日目

雨。

6時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、出し巻き卵、大根と三つ葉の味噌汁、オレンジ、牛乳

8時半検温。

いよいよ退院の日を迎えたわけだが、現在の状況を書いておこう。
まず耳。中にボスミンガーゼが入って綿球でふたをしている状態。当てガーゼはない。耳たぶや周辺には違和感はない。耳たぶの前の付け根の耳道の脇に数センチ切れ込みが入っている。ここを広げて手術をしたわけだ。切れ込みは若干違和感(感覚が鈍い)はあるが、痛みは無い。左耳を下にして寝ても平気なぐらいだ。頭や耳たぶの筋肉に力を加えて耳を動かしても違和感はあるものの痛みは無い。耳の中は痛みはない。たまに一瞬ひりっと感じるときもあるが、それも少なくなっていくだろう。やや低めの耳鳴りは意識しないと分からないほど小さくなったが続いている。姿勢や時間帯によっては耳鳴りがしたりしなかったりする。咀嚼したり頭蓋に振動を与えたときに、耳の中でボンと響く音がするときがある。術創に張った植皮とそれにつながった鼓膜が振動しているのだと思う。
足はすれないように小さなガーゼが貼ってあるが痛みはまったくない。植皮を採った跡は赤くなって完全に乾いて皮が張った状態だ。取れかかったかさぶたがいくつも浮いている。触るとひりひりする。歩いたり足を動かすときには動作に影響はない。たまに痒く感じるのは、ひりひりプラス絆創膏の貼り跡のせいだろう。どうも今回は前回よりも切り取り面積が小さかったようだ。

10時外来で診察。耳ガーゼの交換。タリビット、リンデロン軟膏。不要になってきた植皮の一部切り取り。ちょっと軽くなる。足はもう診ず。次は月曜外来を受診の事。洗髪も許可もらった。昨日の聴力検査は41dBだったそうだ。ほぼ手術前と変わりなしで右より若干悪い程度の弱難聴(35dBまでが正常)。聞こえについては経過を見るしかない。

同室で自分よりずっと長く入院していた方に挨拶とお礼を述べてテレビカードをあげた。結局1200分カードで800分も余った。

11時前に妻が来る。荷造り。昨日おとといでだいぶ持って帰っていたので少なくてよかった。看護師さんが退院後の説明を専用の用紙に基づいて行う。すぐに会計の人が来て、6月分の請求書を渡してくれた。金額は15万円。実質の自己負担は3割4万5千+食事8千円の5万3千円だった。だいたい予想通り。病室をでて、看護師詰め所に挨拶して病棟を去る。会計で支払い。入院時に払った保証金の清算もすませる。

雨中帰路へ。ようやく自宅へ帰りゆっくりすごす。

夜、2週間ぶりの入浴と洗髪。足は意外にもお湯も沁みず問題なし。

これで、長かった入院生活もやっと終わりを迎えました。退院後もしばらくは頻繁に通院する必要がありますが、それもやがて減っていくでしょう。真珠腫は原因があまり解明されておらず再発もある病気です。私の主治医は患部を取り切り再発をできるだけ抑えるような方針ですが、完全というのは難しいことです。健康で病気ひとつしない人を羨めば、どうして自分にはこんな病気がと天を恨むことになりますが、それは気持ちの持ちようです。2回の真珠腫の手術入院を経て思うのは、真珠腫は奇妙で厄介な病気ですが、世界中で多数の人が悩まされている他の深刻な疾病に比べれば、それほど悲惨なものではない、ということです。それどころか命の心配も要らず手術退院後の生活の制限もほとんどありません。一病息災とも言います。真珠腫になってよかったとは決して思えませんが、もし絶対何かの病気になるとするならば真珠腫でまだ良かったとは思います。


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