いわゆる転売屋と比べてどうなの?


最近多いのが、いわゆる転売屋です。商品を安く買い付け、オークションなどで捌いて利ざやを得ます。そうした人たちの活動と比べてどうなのでしょうか?

1. 主な仕入れ先が個人からの古物の買い取りである点

普通のインターネットショップとどこが違うの?で述べたの内容と同じです。

2. 古物買い取りの結果、雑多な種類の品を各在庫1点限りで販売する点

普通のインターネットショップとどこが違うの?で述べた内容と同じです。

3. 解説

今流行の転売屋にはかなり荒稼ぎをする人もいるようです。例えば、初回限定版のDVD。プレミア特典や品切れによる高騰を見越して、数十個単位で予約を掛けます。そしていざ発売となったらありとあらゆる販売手腕を駆使して高値で売り抜け、一瞬にして高額の差益を得るのです。一晩で十万、二十万の利益を得たなど、珍しい話ではありません。我々のちまちまとした副業では稼ぎ出すのに1ヶ月以上掛かる金額です。

例えば、定価3,000円のDVD。プレミアムがついて6,000円で売れると予測したとしましょう。予約割引の2,500円で100本注文してすべてを売り抜けば、売上60万円、35万円の利益です。しかし、転売では一般に通常の小売店などで仕入を行うため、事前予約や大量販売による値引きがあったとしても、仕入にかかるコストはどうしても増えてしまいます。この例では、仕入時に25万円というまとまった金額が必要です。この資金調達問題のため、多くの転売屋は、転売益を当て込んでクレジットカードを使って仕入を行うようです。

しかし、売れなかったらどうしましょう?

読み通りプレミアが乗らなかったとしても、定価や仕入れ価格で売れてくれさえすれば、100本のDVDの販売コストに目をつむれば損害はありません。しかしこうしたタイプの商品ではしばしば人気が出なかったり商品がだぶついたりして新品が定価以下で投げ売りされる事が良くあるものです。特に、転売屋が販路に使用するネットオークションやAmazonでは、販売者による競争が激しいため、こうした価格低下が極めて起こりやすい構造になっています。10時間前なら5,000円相場だったが、今ではもう3,000円台に落ちてしまった、等という株相場のような世界なのです。このような場所で競いながら高値で売り抜けるにはすさまじい技量と注力が必要なのは言うまでもありません。

「○○のDVDはプレミア必至」などという噂を信じて買い込んだ100本のDVDが売り抜けず、相場が2,000円に下がってしまったらそれだけで5万円の赤字です。カード決済なら1ヶ月後には支払いが待っています。もし1ヶ月後までに半分しか売れてなければ、15万円もの金額をどこからか調達しなければなりません。

つまり、転売屋というビジネスは非常にリスキーであると言えます。継続して転売で利益を出すためには、メビウスの環のように関連し合う次の問題点を解決できなければいけません。

1. 誰でも仕入れられる品物なら値段が下がるのが早い

2. 値段が下がる前に売り抜けるのは難しい

3. 誰も目を付けていないような儲かる商材を見つけるのは難しい

素人でも素朴に考えれば分かる事ですが、転売といっても結局普通に買ってくるだけです。つまり販売店の利益をすでに引かれています。こんな割高な商品仕入では、よっぽどの事がないと利益なんて出ません。転売屋が頑張れば頑張るほど販売店・販売元は涙を流して喜ぶでしょう。結局他人の土俵で相撲を取っているわけです。副業の転売で片手間に利益が出るというケースは、知人や実家などから商品が仕入れ価格同然で簡単に手に入るというような限られた場合でしょう。

素人が副業で行う我々のリサイクルショップも、見ようによっては転売と言えなくもありません。異なる点は次の通りです。

1. 仕入コストが低く、また仕入原資は原則売り上げた利益から現金で賄う点。経費の支払い等ならまだしも、カードでの仕入や掛けでの仕入はできるだけ避けるべきです。それらは借金と同じ行為です。現金仕入の商品が売れなくても最悪捨てるだけで済みますが、掛け仕入では支払い資金を用意しなければなりません。特に売上を支払いに当てようとする行為は破綻への第一歩です。

2. 多種多様な商品を扱うので、どれかは売れる点。はっきり言ってどんな商品が高騰するかなどと確実には分かる訳がありません。まさに株式市場と同じです。ネットを駆使して情報を集めれば分かる、と思う人もいるかも知れませんが、それには膨大なコストがかかる事を忘れては行けません。私には数十万円のリスクを掛けられるほどの精緻な調査が数万円程度のコストでできるとは思えません。また、ネットで出回っているような誰でも読める情報では、本当の「材料」にはならないでしょう。あなたが読める程度の「儲けは確実」情報は、逆に転売屋を増やして早期の価格下落をもたらすのが落ちです。本当に価値のある珍しいものはお店で売っていません。個人からの買い取りではそういう珍しいものを極めて安価に手に入れる事ができます。一山100円で引き取った古雑誌が合計数万円で売れた事もあります。他では手に入らないものだから、大量競合も発生しません。

3. プレミアがさりげない点。新品を大量に買い占めて品切れをいい事に値上げして転売。その商品を欲しいと思う人から見たら、はっきり言って「やな奴」ですね。お前が買い占めなきゃこっちが買えたのに!と誰しも思う事でしょう。実際、こうしたケースでは転売屋の社会的意義はゼロ以下です。金儲けのためと割り切るのも実際は難しく、転売行為を繰り返すうち、次第にむなしさを募らせていく人も多いようです。新品DVDを定価の倍で売るのは反感を買うかも知れませんが、一方で20年前の定価300円の雑誌を3000円と10倍で売ったとしても、まあそんなものかな?という気がするのは何故でしょうか。ずっと探し求めて買いたかった人は、失われてどこにもなかった品を探し出して来てくれた、と思ってくれるからでしょうか。こうしたケースでは感謝される事はあっても値段で文句を言われた事は皆無です。

まとめると、転売は非常にリスキーであり、気軽に行えない、という事です。あまり一度に利益は出ないかも知れませんが、副業Webリサイクルショップでちまちま稼ぐのはリスクもなく堅実です。


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