配送の準備をしよう


ネットショップにとって、配送はホームページと対をなす生命線です。しっかり準備しましょう。

1. どの宅配業者を選んだらいいか

大手はどこもサービス内容や料金に差はありません。ただし、それぞれの営業所によっては差が出ます。選択の場合は、次のような点を考慮するといいと思います。

・近くに集配センターや営業所がある

スピーディーな集荷が期待できます。

・配達員が丁寧

いままでに荷物を受け取った時など、思い返してみましょう。結構配達員によって荷物の扱いが異なります。割れ物を乱暴に扱われると大変なことになります。

2. こんなサービスを利用しよう

配送業者は大きく分けて、郵便局と宅配会社に分かれますが、どちらも特別な手続きをせずに利用できるサービスと登録・契約をしてから利用できるサービスがあります。また使い勝手のよいサービスもそうでないサービスもありますので、場合に応じて使い分けることが必要です。

・郵便局のサービス

定形外郵便

料金全国一律で制限サイズも意外と大きいので、小物の発送に活躍します。

郵便受けへの配達ですが、入らない場合は直接渡してくれます。その場合、留守だと一旦持ち戻りになり不在票を残すので実質時間指定配達が可能です。

料金基準が重さなので、窓口に行く前にきちんと重さを量って料金を把握しておきます。

料金境の重量を僅かに超えているような場合、無駄な梱包材などを削って、料金を節約しましょう。秤はあると便利です。

500gを超えると、発送先によってはゆうパックとの料金逆転現象が起こります。また、逆転しなくても、ゆうパックとほとんど同じ料金帯になってしまうので、定形外の利用は、梱包後1kg以下の商品にのみ利用するといいでしょう。

専用伝票を使えば、代金引換にすることが可能です。代金引換の場合は当然直接渡しになりますが、不在の場合は不在票を残して持ち戻りですので、実質配達時間指定が可能です。

冊子小包

書籍(冊子状のもの)のみに限られますが、全国一律で定形外より割安に発送できます。意外と知られていませんが、電子記録物類も冊子小包で送れます。つまり、CD・DVD・LP・ビデオ・カセット・ゲームソフトなども安い冊子小包でOKです。ただし、もちろん送れるからといっても破損補償はありませんので、破損しないような梱包はこちらが責任を持たないと行けません。

郵便受けへの配達ですが、入らない場合は直接渡してくれます。その場合、留守だと一旦持ち戻りになり不在票を残すので実質時間指定配達が可能です。

局員が中身を確認するため、一部が開いているか、透明か、または局員が確認後に梱包する必要があります。

専用伝票を使えば、代金引換にすることが可能です。代金引換の場合は当然直接渡しになりますが、不在の場合は不在票を残して持ち戻りですので、実質配達時間指定が可能です。

ゆうパック

ゆうパックは平成16年10月に大改定が行われ、それまでの重量制からサイズ制料金へ変更となりました。民営化に備え宅配各社の料金体系へ合わせる処置と思われます。

ここで注意点は、宅配各社がサイズ+重量のダブル基準であるのに対し、ゆうパックは完全にサイズだけによる料金という事です。つまり30kgの鉄のかたまりでも小さければ60サイズ料金で送れるのです。

また、従来の重量基準のサービスも実は大口顧客向けに続いています。そしてそれを再販している事業者もありますので、それらのサービスを利用すると従量制料金で発送も可能です。代表的な業者・サービスには、「Yahoo!ゆうパック」、「You Say!」、「生協ゆうパック」等があります。利用には申し込みが必要な場合が多いようです。割引価格で利用できたり集荷も可能だったり利便性もあるようですが共通して難なのが代金引換便を使えない事です。また、利用可能条件が郵便局の正式サービスとは異なる可能性がありますので注意が必要です。

さて、郵便局による通常ゆうパックの特徴です。宅配便と比べ、送料基準がサイズのみであるので、小さくて重い物の発送に適しています。

最大重量30kg、3辺長さの合計の最大170cm。基本的には受付時にきっちり計るので、1cmでもオーバーすると区分が上がったり扱ってくれなかったりします。

配達は手渡しになります。また配達日時の指定が可能です。

ほとんどの距離なら翌日配達です。郵便局に持ち込んだ時間が午前か午後かによって、配達日数が+1される場合がありますので注意が必要です。

送料着払い発送が可能です。手数料20円が必要です

専用伝票を使えば、代金引換にすることが可能です。

ゆうパックシールは廃止になりました。

郵便局へ持ち込むと1個につき100円割引が受けられます。また集荷のサービスもあります。

後述する料金後納を利用すると月間利用個数に応じた割引が受けられます。例えば月間10〜19個で20%OFFとなります。

代金引換

実質的な利用には、郵便振替口座の開設が必要です。

専用伝票を使用します。伝票には、普通・書留・ゆうパックの3種類があります。定形外と冊子小包では普通伝票を使います。よく使うのは普通と、ゆうパックですので、郵便局で20枚ずつ程度まとめてもらっておくと便利です。

ゆうパック集荷サービス

自宅までゆうパックの荷物を取りに来てくれます。即日に1個でも来てくれます。重い荷物の時などは便利です。申し込んでから来てくれるまでの時間も短くなりました。集荷時には玄関先で荷物サイズを測って料金を計算するのに手間がかかります。当然レシートも出ませんので領収書を請求すると手書きです。冬場などは、長時間の対応で芯まで冷えます。ただし、これは後述の料金後納を利用すると対応時間が劇的に改善されます。

集荷時には、後納扱いや切手を貼った他の郵便物も一緒に持っていってくれるので便利です。

EXPACK500

全国一律500円の専用封筒で、翌日手渡し配達のサービスです。集荷もしてくれます。

ゆうパックと普通郵便の折衷案みたいな感じです。何枚か買い込んでおくと便利です。

用途としては、重量30kgまでOKかつ定額の点を利用して、定形外とゆうパックの隙間を担わせるといいでしょう。具体的には、500g以上で薄型の商品の発送に便利です。私の場合、ジーンズなど、壊れず薄くかつ重いものの発送によく利用します。

しかし2cm以下の厚さでそんなに大きくない物なら安さを取って宅配業者のメール便サービスを選んだ方がいいでしょう。

料金後納

郵便局に申し込むと、郵便料金を掛けで利用し翌月に払う後納サービスが利用できます。後納では利用個数に応じてゆうパック料金の割り引きがありますので利用する価値が大きいです。通常郵便や冊子には割引はありません。

後納での具体的な利用方法は次の通りです。ます、各郵便物には、予め申し込み時に郵便局で作ってもらった「料金後納」スタンプを押します。次に各郵便物のサイズや重さ、代引手数料などを調べて、所定の用紙に本日分として記入し、予め届け出た印鑑を押します。この料金後納郵便差出票は2部作成します。1部は自分用の控えです。Excelなどで書式を作って印刷する方式だと簡単です。あとは窓口や集荷担当者に郵便物と料金後納郵便差出票を渡し、印を押した控えをもらうだけです。現金のやりとりがないので非常にスムーズです。

特に、集荷の祭には、こちらの測った重さやサイズを信用してもらってその場では測りませんので、やりとりの時間を宅配業者並みに大幅に縮める事ができます。もちろん悪用してあまりに嘘のサイズを記入すると、後で測ってばれますので注意。

なお後納として窓口へ持っていく場合は、後納申請時に指定した郵便局でしか受付できず、他の郵便局窓口へは出せませんので注意が必要です。またゆうパックの後納割引を申請すると持ち込み割引が受けられなくなります。

配達追跡

ゆうパックや、EXPACK500、代金引換などは、伝票番号を指定してインターネットで配達状況を知ることができます。ショップ・お客ともに大変重宝する機能です。

伝票印刷サービス

無料で、各種伝票に依頼主(ショップ)の氏名・住所・電話番号を印刷してくれるサービスです。伝票に毎回ショップの名前・住所・電話番号を記入する手間が省けますので、大変便利です。また代金引換伝票では口座情報も印刷済みですので重宝します。

・宅配業者のサービス

ヤマト運輸の場合をもとに説明します。他の業者の場合は、若干異なると思いますので、詳細については各社の営業担当にお尋ね下さい。

事業者として利用するには事前登録が必要です。

個人事業でも登録には問題ありません。電話をすると営業担当が来宅して説明してくれます。

契約書と、代金引換の回収代金を振り込んでもらう口座の登録用紙を提出します。この時ついでに後述するメール便契約もしておくといいでしょう。

送料は後払いできます

事業者として契約が完了すると、後日、単価データが入ったカードをもらえます。

発送時には、このカードを端末に差し込んで、料金データを計算し、月末に1ヶ月分を集計して、後日請求されます。

支払いは指定口座への振込です。ちなみに代引き回収金額と相殺はできません。

なお、日々の発送時には、端末からレシートのようなシールが出てきて、伝票に貼ってくれるので、送料の管理も楽々です。

宅配便を利用しよう

ゆうパックと比べ、送料基準が重量とサイズなので、軽い割にかさばるものは送料が高くなりがちです。しかし、民間業者ですので、1g単位まできっちり計る郵便局に比べて、大幅に融通を利かせてくれます。このあたりは、ショップの月間発送個数と、担当者とのコミュニケーションにかかっています。

最大重量25kg、3辺長さの合計の最大160cm。多少オーバーしても扱ってくれます。

配達は当然手渡しになります。

配達はほとんどの距離なら翌日配達です。集荷時間によらず、その日の最終集荷に間に合えば扱いに差はありません。

送料着払い発送が可能です。手数料はかかりません。

専用伝票を使えば、代金引換にすることが可能です。

単価を割り引いてもらおう

事業者は事業者契約時に、単価の見積もりをもらいます。最初は、場合によっては、本当に定価の見積もりをもらうでしょう。つまり、コンビニなどに持ち込んだ場合の100円引きがない状態です。これは厳しいです。発送数が月間30個程度になったら、値引きの交渉をしましょう。それまでの実績によって応じてもらえます。これで100円引きになれば、ゆうパックで出荷した場合と同じ程度の送料となります。

キーワードは、「ゆうパック」です。「お客さんが安いゆうパックで送ってくれといってくる」と訴えましょう。実際、こういうお客さんは多数います。

代金引換を利用しよう

事業者として登録する必要があります。

専用伝票に請求金額を記入して発送すると、配達時にお客さんからその金額を回収してくれる、おなじみのサービスです。

手数料として、代金引換額が1万円以下では1件につき315円かかります。通常のショップでは、お客さんに負担してもらいます。高額購入者の場合はお店負担といったサービスをしているショップも多いですね。

代金引換扱いは、必ず送料元払いとなります。代金引換でかつ送料着払いの発送というのはできません。元払いにして引き換え額に送料を入れておきましょう。

代金引換が可能なのは、30万円以下の金額です。

配達日を指定する場合は、配達指定日の1週間以内になってから発送します。これは、代金引換便は配達店で7日滞留すると自動的に返送扱いとされてしまうためです。

回収代金は、あらかじめ届けた口座へ、月末締め翌月8日にまとめて振り込んでくれます。

資金繰りが大変な期末3月などは、3月上旬分を3月20日頃一旦締めて振り込んでくれるなど、サービスも良好です。

メール便を利用しよう

事業者として登録する以外にも、都度払いの利用も可能です。最近ではセブンイレブンなどでも扱っているようです。ただし、本格的に利用するなら未収契約しての利用をお薦めします。

それは、コンビニや営業所・都度払いの利用では、実運賃が相手に丸分かりになってしまう点と、サイズをおまけが望めなくなる点の2つがあるためです。

契約には契約書に4000円の印紙を貼る必要があり、若干負担が掛かります。が、一度登録すればずっと使えるので、我慢しましょう。

宛先を記入した郵便物状の荷物に、メール便シールを貼って発送すると、宛先のお客さん宅の郵便受けに入れてくれます。

ヤマトのメール便は2006年10月より大幅にサービスが変更されました。内容としては料金を若干安くする代わりに配達日数がかなり延びました(というより、実情に合わせました)。追加料金で速達扱いにすると従来の配達スピードになります。

最大重量1kg、3辺長さの合計の最大70cm、最大辺40cm、最大厚さ2cm。契約の集荷では多少オーバーしても扱ってくれますが、郵便受けに入らないようなサイズで発送するのは事故の元ですのでやめましょう。コンビニや営業所ではゲージで測るので規定サイズオーバーは受け付けてくれません。

サイズに応じて80円〜240円と格安です。

メール便というとカタログ大量発送などを連想しますが、1個からでもちゃんと集荷に来てくれます。

中身を見せる必要がないので、冊子小包より梱包が簡単で厳重にできます。また、ゲームやCD、衣類、雑貨など小物の発送にも非常に重宝します。

配達追跡

宅配便、メール便ともに、伝票番号を指定してインターネットで配達状況を知ることができます。ショップ・お客ともに大変重宝する機能です。

大型荷物の発送

宅配便の最大サイズを(大幅に)上回る荷物の場合は、ヤマト便など、宅配便よりワンランク上の荷物扱いとなります。

料金は、だいたい、宅配便のサイズと料金の関係をそのまま延長したイメージで、思ったほど高くはありません。

送料着払いは可能ですが、代金引換はできません。また、配達時間の指定もできません。

荷物に掛ける保険額を任意に指定できます。

引っ越し便での発送

大型家電・大型家具の発送は、引っ越し便が便利です。

料金は高いですが、商品の引き取り後に専用の梱包をしてくれますので、傷・破損の心配が要りません。

送料着払いは可能ですが、代金引換はできません。また、配達時間の指定もできません。

荷物に掛ける保険額を任意に指定できます。

伝票印刷サービス

無料で、各種伝票に依頼主(ショップ)の氏名・住所・電話番号を印刷してくれるサービスです。

伝票に毎回ショップの名前・住所・電話番号を記入する手間が省けますので、大変便利です。

普通の元払い伝票と代金引換伝票を100枚程度ずつ頼めばいいでしょう。多少作成に時間がかかるので、なくなってきたら早めに追加を頼んでおきます。

割れ物シール・天地無用シール等もついでにもらっておきましょう。


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