第4週

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05月15日(日) - 16日目

晴れのち曇り一時雨。

7時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、キャベツと三つ葉の味噌汁、高野煮、ジョア

8時半の検温後、読書とPC。今日は日曜で、音楽が流れないから静かだ。

9時から点滴。あと1日。

10時から処置。今日は若先生で、当てガーゼと包帯の交換のみ。低い耳鳴りについては、初めて聞く症状だってさ。包帯を2,3周しか巻かないのですかすかな気がする。主治医の久保先生は、いつもきちっと包帯一本分まくので、それに慣れているからだ。それはそれで、締め付け感があるし、時には耳も痛むのだが、急に変わると気になる。

処置から戻ると妻が来てくれていた。愛猫に禿ができたとの事。時々なるのだ。心配。新聞読む。妻の咳は相変わらずだった。

12時昼食 ご飯、麩とほうれん草の澄し汁、田楽、白菜のツナ和え、漬物。今日は妻もお昼を買ってきていたので、一緒に食べる。手作りピクルスをもらう。あまり酸っぱ過ぎず、よい。

妻は近所のホームセンターへサボテンの苗を見に行く。その間読書。戻ってくると、歩数が、1万歩増えていた。やや足が疲れたそうな。お土産に飴もらう。

15時検温。

おやつをもって、屋上で食べる。近所の小学校で運動会。ちょっと雨がパラパラしてきたので部屋に戻る。ちょっと昼寝。

フリーセルであそぶ。

18時夕食 ご飯、鶏じゃが、ピーマン炒め煮、胡瓜とシメジの酢の物、沢庵、キウイ。夕食を食べたのを見届けて、妻は帰っていった。

20時電話とメールチェック。

21時からTVシルクロード。

22時消灯。

「史上最大の発明アルゴリズム」(D・バーリンスキ)読む
「Standard Template Libraryプログラミング」(επιστημη)読了
「人工知能コンピュータ 判断・推理の仕組み」(秋田興一郎)読了
「Java言語で学ぶデザインパターン入門」(結城浩)読み始める

05月16日(月) - 17日目

晴れ。

7時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、ふりかけ、のっぺい汁、金時煮豆、牛乳

8時半の検温後、読書とPC。

今日は主治医の先生が手術のため、処置は午後から。

9時半からシャワー浴。月曜日は女性の日だが、少なかったので入れた。

10時からシャンプー。

11時から点滴。これでひとまず点滴は終了だ。うれしい。

12時昼食 ご飯、南部焼き、付け合せ、サラダドレッシングかけ、ぜんまいの炒り煮、白菜とねぎの味噌汁、ピーマン漬け。

15時検温。妻が来てくれる。今日、お義父さんがお見舞いに来る予定と聞いてびっくりしていたら、すぐに来られた。妻も朝電話で聞いたそうだ。見舞いの土産などをいただく。愛猫のこともあって心配していたけど、思ったより元気そうで安心。お義父さんは少し話をしてすぐに帰って行った。早速いただいたお菓子を食べる。

処置の直前ごろ、少し耳の中が痒い感じがした。表皮ができかけているのだろうかと考える。

17時前に処置。結構ぐいぐい目で痛いが、先週までのような焼け付くような痛みはもうない。ベッドに戻ってちょっとだけ横になる。

ちょっと痛かったが屋上へもいった。

18時夕食 ご飯、てんぷら盛り合わせ、金平ごぼう、冷奴、ふりかけ。ボリュームもあり満足。夕食を食べたのを見届けて、妻は帰っていった。

「史上最大の発明アルゴリズム」(D・バーリンスキ)読む
「Java言語で学ぶデザインパターン入門」(結城浩)読了
「秘術としてのAI思考」(西垣通)読み始める

05月17日(火) - 18日目

晴れ。涼しくて気持ちよい天気。

7時半起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、白菜と三つ葉の味噌汁、大根おろし、バナナ、牛乳

8時半の検温後、読書とPC。

今日はシーツ換えの日。シーツを変えている間、電話と屋上。

10時半から処置。主治医の先生が処置して、若先生が見学。看護師さんがもたもたして、先生にえらく叱られていた。痛み激減。処置後もほとんど痛くなく、寝て我慢する必要なし。ようやくこういう日が来たか。

12時昼食 ご飯、きのこうどん、豆腐ハンバーグ、にんじんのグラッセ、サラダ、ひじきとレンコンの炒り煮、桜漬け。

15時検温。その後妻が来てくれる。咳が止った様子。おやつせんべい。屋上でゆっくり過ごす。涼しい風が吹いて気持ちがいい。明日主治医に外出可否を相談してみようと決定。ただ、明日は雨なんだよな。売店でサイダー飴を買うがこれが後に災いを…。

18時夕食 ご飯、焼き魚(オヒョウ)、インゲン、焼き生揚げ(生姜)、青梗菜の煮びたし、海苔佃煮。

変える直前に妻がサイダー飴にむせ返って咳再発して大変だった。帰る道すがら咳かないかと思って心配。痰をきる薬を薬局で買うように言ったが、ちゃんと買って飲めるだろうか。

20時電話とメールチェック。薬は薬局がしまってて買えなかったようだが、痰は切れて大丈夫になったようで安心。

22時消灯。

「史上最大の発明アルゴリズム」(D・バーリンスキ)読む
「秘術としてのAI思考」(西垣通)読了

05月18日(水) - 19日目

曇りのち雨のち曇り。

7時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、ふりかけ、三つ葉の味噌汁、出し巻き卵、ジョア

8時半の検温後、読書とPC。

10時半から処置。主治医の先生。看護学校の生徒が処置を見学。昨日に続き痛み激減。処置後、そろそろ外出可能か尋ねてみた。簡単にOK。やった今日は外食だ。処置後もほとんど痛くなく、寝て我慢する必要なし。

外出届を書いて提出。夕食をとめてもらう。自宅に電話して外食のことを伝える。順番逆だったかも。

雨が降り出す前に、屋上でうろうろして体力づくり。

12時昼食 ご飯、薩摩汁、揚げ魚の野菜あんかけ、膾、漬物。

15時検温。その後妻が来てくれる。咳が止った様子。新聞読んだり、写真を取り込んで見たりした後、着替えて外出。半月ぶりにパジャマじゃない服を着て靴下を履いたので変な感じ。病院を出て久しぶりのシャバの空気。やや湿っぽい。傘を持って出たが、降ってなくてよかった。雑誌の発売日のはずだったので本屋に行ってみるが置いてなし。明日だったかも?近所の商店街をぶらぶら。意外に流行っている。ここの本屋ものぞいたが、やっぱり雑誌は置いてない。1時間ほど結構歩き回った。意外にもそんなには疲れなかった。

18時ごろ夕食 お寿司(外食)。いくら病院の食事はおいしいとはいえ、やっぱり味付けも薄いし、違うよ。おなかいっぱい食べる。

妻を地下鉄の駅まで送る。ちょっと肩こりで頭痛がするようだったので心配。

20時電話とメールチェック。

看護師さんがベッドを作っていたのでひょっとしてと思ったら、その後同室に新しく入院された人がきた。

22時消灯。

「史上最大の発明アルゴリズム」(D・バーリンスキ)読む

05月19日(木) - 20日目

曇りのち晴れ。

6時起床。久々早起き。昨夜は暑くて寝つきが悪かった。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、たまねぎと三つ葉の味噌汁、高野煮、牛乳、桃

8時半の検温後、読書とPC。

9時体重測定。61kgと微増。

9時半シャワー浴。ちょっと久しぶりか。

11時電話。

屋上でうろうろして体力づくり。

12時昼食 ご飯、かにクリームコロッケ、付け合せ、ジャガイモと三つ葉の味噌汁、野菜サラダ。

14時から処置。主治医の先生。痛みほぼなし。処置後、外泊の可否を尋ねてみる。今週末で可能との事。うれしい。処置後もまったく痛くなく。2回目の手術は来週ではなく、再来週になるとの事。

15時検温。その後、妻が来てくれる。着替えて外出。向かいの公園でおやつ。商店街でたこ焼きを買って食べた。商店街で猫缶を選んでいると、意外にも丁寧なペット用品店を発見。夕食前に戻る。

18時夕食 ご飯、海苔佃煮、えびとたらのホイル焼き、ナスとインゲンの含め煮、ホウレン草のお浸し。妻がもって来てくれたお手製ピクルスも食べる。食事後、妻は帰宅。

日記を読んでいる人は分かると思うが、手術から時間が経過し、点滴がなくなり処置の痛みも無くなって来ると、毎日わずか15分程度の処置の時間を除けば、苦痛も拘束もない、まったく暇な日常である。コーヒーを淹れ、ベッドにひっくり返って雑誌や本を読み倒し、パソコンに興じ、階段を一段抜かしで上がり屋上で運動する(好きな人はテレビを見るのも良いだろう)。ご飯はおいしく、お菓子は食べ放題。気ままに外出・散歩。シャワー浴も洗髪も可能。どう考えても周りからは浮いている変な病人だ。
しかし、鏡を見ると頭には大きな包帯。処置で手術の経過を毎日観察し、ガーゼ交換も必要だ。海外では、真珠腫の治療に、ホテル併設のクリニックでリゾート型の治療もあるらしい。日本でもQOL向上の気運があるしそういったタイプの治療も出てくるかもしれない(もうあるかもしれない)。ただし、作者のように、あまり物事を気にしないタイプの人間には、大部屋での入院もリゾートホテルもそんなに違いが無いと感じると思う。しいて言えば、入院では22時の消灯以降に本が読めなくなる点は、なんとかならなものかと思わないでもない。しかし、大部屋は無料・ホテルは少なくても1日数千円である。比較検討しようという気にもならない。自分にとっては無料でこれだけ快適なのに、文句を言うと罰が当たるだろう。
むしろ、ある程度回復した後は通院にできないものか、と考えてしまうが、確実な処置機会の確保という問題があるだろうと思うので、病院もわざわざリスクを取る理由もないし、実現は難しいだろう。単に肉体的・物理的な制限の問題なら、現状では十分通院に耐えうるとは思う。現に外出や外泊もする訳だし。

21時電話とメールチェック

22時消灯

「史上最大の発明アルゴリズム」(D・バーリンスキ)読了

05月20日(金) - 21日目

晴れ。

6時半起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、薩摩汁、大根おろし、牛乳。

8時半の検温後、読書とPC。

9時半洗髪。久しぶり。ちょっと臭くなっていたので助かる。

10時半処置。痛くない。外泊について。明日土曜の処置後から帰宅し、月曜の12時までに戻ってくる予定での外泊許可が出た。今日は帰れないが、一応2連泊だ。うれしい。

11時さっそく妻に電話。

屋上でうろうろして体力づくり。

12時昼食 ご飯、ぶりの照焼、ほうれん草バターいため、白滝の炒り煮、小松菜とえのきの煮びたし、豆腐と三つ葉の澄し汁。

来週の選択食の回答を提出し忘れていることに気がついてがっかり。

15時検温。その後、妻が来てくれる。着替えて今日も散歩に外出。雑誌を買った後、ファミレスでのんびり。結構早めに出かけたと思ったのに、すぐに帰る時間に。

18時過ぎ夕食 ご飯、豚肉の胡麻だれかけ、もやしの炒め物、たくあん、ヨーグルト和え。食事後、妻は帰宅。

今日は病院での生活(大部屋での入院生活)について書いてみよう。
現代に多いと思われる潔癖症タイプの人は、ちょっとつらいかもしれない。作者はどちらかというと逆なので、想像しがたい部分もあるのだが、考えてみよう。まず、トイレが共同という時点で躓く人も多いかもしれない。作者は学生自体の下宿も共同トイレ・シャワーだったし、まったく気にならない。次に、カーテンで仕切っただけの個人空間。隣の人の生活音、話し声、テレビの音、また病院特有の苦しげな呼吸音など、さまざまな音が気になるかもしれない。また、そういう状況で自分の出す音に気を使いすぎてしまうかもしれない。また、視線も同様だ。わずかなカーテンの隙間が気になるかもしれない。食事にしても、ひょっとすると、他人の視線があったり、隣の人が洟をかんだり派手に痰を絡ませている音を聞いて食欲をなくす人もいるかもしれない。
電車の中で座り込んだり化粧をするように、あまり他人を気にしない若い世代の人は、こうした点はへっちゃらなのかもしれない、とも考えられる。しかし、この病棟では、たまたまかもしれないが、10〜20代の若者はすべて個室で入院しているようだ。大部屋にいるのは中高年ばかりだ。ちなみに個室は満室だ。先日同室に入院した中年男性も、しきりに個室へ移りたがっており、空き待ちだ。作者はむしろ、入院時に大部屋を希望し、(他人もそう希望すると思うから)個室しか空いてなかったらどうしよう、と心配していたのだが、まったく杞憂だった。大部屋は、一部屋丸々空いているほどだ。他の人がそれほどまでに個室を希望する気持ちは、作者には良く分からない。
歯磨きに言ったら洗面台がふさがっていたり、トイレに行ったら個室がふさがっていたり、しかも、病人だからそんなにきびきび動けないため、10分経っても20分経っても個室が空かないなど、不便さは確かにある。
あと、気にする人が多いと思われるのは、睡眠か。眠れない、という人は居そうだ。まず、活動量が少ないので、ただでさえなかなか眠気が来ない。また、他人の寝返り音など、些細な音が気になって眠れない。他人のいびきがうるさくて眠れない。苦しげな呼吸音が聞こえてきて眠れない。消灯後もテレビを見ている人が居て、明かりがちらちらして眠れない。枕が違うので眠れない。深夜の急患があり、ざわざわとした音や明かりで眠れない。すっかり忘れていたが、自分の痛みで眠れない。などが考えられる。

「マリア・カラス 聖なる怪物」(S・ガラトプーロス)読み始める

05月21日(土) - 22日目

晴れ。

6時起床。朝食まで読書。

8時朝食 ご飯、海苔、大根と三つ葉の味噌汁、出し巻き卵、オレンジ、牛乳。

8時半の検温後、読書とPC。

9時半入浴。シャワーでなく、湯を張った風呂は半月ぶり。

屋上でうろうろして体力づくり。

同室の人が、外泊で帰っていった。

12時昼食 ご飯、さわらの木の芽みそ焼き、白菜の胡麻和え、たまねぎとわかめの味噌汁、煮豆、パイナップル、キューちゃん漬け

隣の人が退院。窓際が空いたので、看護師さんに頼んで、早速移動。やっぱり窓際は明るくて良いなあ。

意外にも早く、14時から処置。ほとんど痛みなし。早速外泊用意。

自宅の妻に電話して、荷物をまとめて15時過ぎに病院を出る。途中、図書館によって借りていた本を返す。16時半に待望の自宅へ、帰ってきた。ずいぶん緑が濃くなっていた。自然に口元が緩む。愛猫は忘れずにいてくれた。うれしかった。家族でゆっくり過ごす。

久しぶりに長距離の移動をしたわけだが、あらかじめ、なるべく歩き回って運動しておいたこともあって、4年前の手術のときのように帰宅しただけでふらふら、ということはなかった。ただ、若干横腹が痛くなった。

自宅でゆっくり夕食

半月ぶりにひげをそる。

「マリア・カラス 聖なる怪物」(S・ガラトプーロス)読了


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